2012年 12月 02日
まさむね センターでの出来事 その1
ある秋の日に、傘を差したけいちゃんとご主人が迎えに来た時から、ボクの第二の犬生が動きだしたんだ・・・。
実はけいちゃん、この日は違う犬を見に来る予定だったんだ。
でもね、そのコは人馴れ、攻撃性などの問題で譲渡対象外となり、
前の日に処分になってしまったの。
いわゆる問題犬って言うのは、飼った事、預かった事がある人しか、
本当の大変さ、苦しみは分からない。
きれい事並べるだけじゃ始まらないよね・・・。
それで、センターの獣医さんが
”同じ犬種で片目が無いんだけれどイイコがいるよ”
ってボクを紹介してくれたの。
ボクが6月からいたセンターは毎日沢山の犬が入れ代わり立ち代わり入って来てね、
いつもワンワンキャンキャン、悲痛な叫びが聞こえるの。
だって、最初に入った大部屋は、No1、No2・・・って入り口に書いてあってね、
一番奥は最終部屋なんだ。
僕達毎日隣の部屋に移動して行くんだけどね、一番奥のその先は無いんだよ。
ボク達最後は一体どうなるの???
ボク、毎日毎日飼い主のお迎えを待っていたんだ。
絶対迎えに来てくれるよね???信じているよ!
とにかく気が狂いそうでね、近くによってくるオス犬とだってケンカしてたよ。
ボク達犬だって、人だって、誰だって皆おかしくなっちゃうよ・・・。
職員さん達、いっぱい優しくお世話してくれるおじさん、ボランティアさん、
・・・みんな身も心もボロボロだと思う。
命の選択をする人も、選択される犬も皆傷ついてる。
ここの人は皆いい人なのにね、
ボク達だって、殺されなきゃならない位酷い事してないのにね、
どうしてこんな苦しい思いしなくてはならないの???
ビーグルも沢山いたよ。
吠えるからかな、運動が沢山必要だからかな、気が強いからかな、捨てられる事が多いみたい。
そんなの最初から分かっている事なのにね、どうして飼うのかな。
そしてボクは”犬とは相性があるけど、性格がいいから”っていう事で、譲渡対象となって大部屋から個室に移ったんだ。
でもね、譲渡対象、譲渡対象外って何?
天国と地獄の別れ目なの?
センターレポで猫の手さんが
”「絶望」と「希望」、とてつもなく大きな差ですが、
それを分けたものにそれほど大きな差はなかったと思います。”
って言ってたけど、ボクもそう思う。
最終部屋から消えていった犬や猫たち、
センターから出てこれた犬たち、
みんな、大きな差はないよ。違わないよ・・・。
※こちらの写真は右にリンクもしてあるちばわんさんのセンターレポからお借りしています。
私達の国で、毎日当たり前に起きている事、一人でも多くの人に知って頂きたいと思います。